白馬味噌の製法は、百年という長きにわたって変わることのない自然醸造の技法を守り続けています。この伝統的な製造方法は、北アルプスの恵まれた自然環境と熟練した職人の技によって支えられており、時間をかけて丁寧に作り上げる味噌本来の美味しさを追求しています。
白馬味噌の製造は、北アルプスから流れる冷たい清流で、厳選された長野県産コシヒカリを一晩浸漬することから始まります。一晩かけてじっくりと水分を含ませた米は、真っ白な美しい姿に変わり、十分に膨らんだところで水切りを行います。その後、蒸気にかけて丁寧に蒸し上げることで、麹菌(こうじきん)が育ちやすい環境を整えていきます。
蒸し上げられた米は、まず人肌程度の温度まで冷まされます。この温度調整は麹菌(こうじきん)の活動にとって非常に重要な工程であり、職人が手で温度を確認しながら慎重に行われます。適切な温度になったところで麹菌(こうじきん)を種付けし、均一に麹菌(こうじきん)が行き渡るよう丁寧に混ぜ合わせていきます。
麹菌(こうじきん)が付いた米は専用の麹室へと運ばれ、ここで二日二晩という長い時間をかけて培養されます。この期間中、職人は数時間おきに麹室を訪れ、温度が一定に保たれるよう細やかな手入れを続けます。四十時間を過ぎた頃、麹は甘い香りを漂わせ始め、米全体に真っ白な綿毛のような麹の花を纏った美しい姿へと成長します。その後、数時間をかけてゆっくりと冷やし、手仕事によって作られる生麹が完成するのです。
麹づくりと並行して、厳選された長野県産大豆の準備も行われます。大豆は丹念に洗い清められた後、米と同様に一晩浸漬されます。十分に水分を吸った大豆は水切りされ、蒸気にかけて柔らかく蒸し上げられます。この工程により、大豆本来の甘みと旨味が引き出され、発酵に適した状態となります。
準備が整った麹と大豆、そして厳選されたオーストラリア産の天然天日塩を合わせ、これらを樽に仕込んでいきます。この仕込み作業は熟練の技を要する工程であり、材料の配合や混ぜ方一つ一つに職人の経験と技術が込められています。
仕込みから約一年余りという長い期間、味噌は白馬の清涼な気候のもとで静かに眠り続けます。この間、何も足すことなく、自然のままの状態で蔵でじっくりと熟成が進められます。丹念に育てられた麹がゆっくりと時間をかけて味噌を造り上げていく過程は、まさに自然の神秘と職人の技術が融合した芸術作品のような美しさを持っています。
長い熟成期間を経て完成した白馬味噌は、豊かな香りと塩角のない非常に優しい味わいを持ち、深いまろやかさを感じさせてくれます。この独特の味わいは、長野県産コシヒカリと大豆、そしてオーストラリア産天然天日塩の絶妙な相性によって生み出されるものです。
白馬味噌は塩分を10%に調整し、天然成分がそのまま残された無添加の味噌として、伝統的な製法を守り続けています。百年変わらぬこの製造方法は、現代においても変わることなく受け継がれ、真の味噌の美味しさを追求し続けているのです。